子育て世帯の経済的負担を軽くする方策の一つとして、全国の自治体で広がりつつある公立小中学校の「給食の無償化」。大阪府内でも、無償化を打ち出す自治体が増えてきた。保護者に聞くと、「物価高で苦しい家計が助かる」という一方、「食費なのだから本来払うべきもの」という意見もある。そもそも給食費は誰が負担すべきなのか。
府教育庁などによると、昨年5月時点で公立小中学校の給食を無償化しているのは、大阪市、泉佐野市、松原市など少なくとも12市町村。小学校だけ無償化したり、数カ月間だけ実施したりしている自治体もあり範囲や期間は様々という。
今年度からは新たに交野市で中学3年生が1年間無償になるなど、無償化が広がっている。
高槻市では、市立小中学校の給食が無償だ。市立桃園(とうえん)小の西村大樹前校長(50)は「各家庭の経済的な状況が様々ある中で、無償化によって、子どもの食の心配がないということはありがたい」と話す。
同校では、給食費や学用品の費用など月5千~8千円を保護者の口座から引き落としていた。だが、食物アレルギーで牛乳が飲めない児童や市から就学援助を受けている世帯などには、一部を返す必要があった。西村前校長は「無償化で、こうした事務が大きく減った」という。
高槻市の給食無償化のきっかけはコロナ禍だった。
2020年の春、市立小中学…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル